日本でもよく知られるフランスの家庭料理のひとつ。大きなかたまりの牛肉と、じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどを丸ごと煮込んで食べる、豪快で素朴な味わいのスープです。具を切らずに丸ごと煮込むのは、長時間の煮崩れを防ぎ、取り出しやすくするため。うま味を閉じ込めるために肉は水から煮込み、野菜が崩れないようかき混ぜすぎないのもコツです。あとはお鍋を閉じて見守れば極上ポトフのできあがり。大きなお皿に盛り付けて具をスープに浸しながら、おいしい時間を楽しみましょう。スープと具を別々に盛り、具にはソースをつけてナイフとフォークで、スープはスプーンでいただくという食べ方もあるそうです。
厳しい寒さを乗り切るために、お皿から盛り上がるほどに具だくさんのボルシチから栄養を取ってきたロシアの人々。シベリア風、ウクライナ風、モスクワ風など地方それぞれの味わいがあります。共通しているのは、赤いスープの色。かぶに似た「ビート」という赤い野菜から出る色素です。 強いアクと甘味を持つビート(※)と肉のうま味を溶け込ませたこの濃厚なスープでは、肉はかたまり、野菜は丸ごと煮込むのが特徴。具が煮えたら取り出して細かく切っておき、その間にビートやキャベツなどの野菜をスープに加えて煮込みます。最後に、取り出しておいた具材を戻したら完成。食べる直前に乗せる雪のようなサワークリームが、濃厚な味わいをやわらげさわやかにまとめます。
- ※日本ではトマトで代用することもありますが輸入食品店などではビートの缶詰が入手できます。
刺激的な辛さ、独特の香り、酸味・・・。一杯の中に強烈な個性が主張しつつも同居するおいしさに、多くの人が魅了されているタイの代表的スープ。トム ヤムが「酸っぱくて辛いスープ」を、クンが「海老」を意味しています。トム ヤム クンに欠かせない独特の辛さのもとは、ピッキヌーという唐辛子。カー、パイマックルー、香菜といったハーブ類も重要な素材です。さらにナンプラーでうま味が加わり、ライムやレモンの絞り汁がさわやかな酸味をもたらします。トム ヤム クンの刺激のある食材で食欲を増し、辛いものを食べて汗をかき、香菜の働きを取り入れて、酸っぱさの中にあるクエン酸で疲れを癒す。暑くて湿度の高いタイだからこそ愛されてきたスープともいえます。
フランスの港町マルセイユで、漁師たちが小魚や貝を鍋に入れて煮ていたのがはじまりとされるスープ。お鍋ひとつでつくることができ、体もすぐにあたたまるので、海でひと仕事したあとにぴったりといえます。地中海沿岸のマルセイユでは、フランスであってもバターでなくオリーブオイルが多用されており、ブイヤベースにもオリーブオイルが欠かせません。その他の材料は、さまざまな魚介、ニンニクとサフラン。お肉を使うスープと違い、長時間煮込まなくてもおいしく仕上がります。魚介類とスープを別々のお皿に取り分ければ、スープとメイン料理に。フランスパンとワインも添えたら、ちょっとしたコース料理の完成です。
イタリアには大きく分けて、ズッパ、ミネストラ、ミネストローネの3種類のスープがあります。ズッパは揚げパンやトーストにスープを注いだもの、ミネストラの具は小さく切った野菜で豆が入っていないもの、そしてミネストローネは大きく切った野菜にパスタや米や豆が入った具だくさんのスープ。しっかり炒め、弱火で1時間は似て味を引き出してください。ベーコンを加えるとコクが出ます。お米を加えて煮るとミラノ風に、バジルやオリーブオイルのペーストを落とすとジェノヴァ風になります。アレンジを楽しみやすいのも魅力ですね。
スペイン南部のアンダルシア地方発祥の冷たいスープ。ただしスペインには同名の煮込み料理も存在するため、「アンダルシア風ガスパチョ」が正確な表現かもしれません。粗切りしたキュウリ、トマト、タマネギ、ピーマン、ニンニク、やわらかくほぐしたパン、ワインビネガー、塩、クミンなどをミキサーにかけるだけ。オリーブオイルやトマトペーストを混ぜ合わせて冷やせば完成です。テーブルに出すときに、クルトンや野菜を細かく刻んだものを乗せましょう。トマトが入った赤いガスパチョが有名ですが、トマトが入らないものもあり、パンの割合が多い地域もあります。
二枚貝(主にハマグリ)に、炒めたベーコンやタマネギ、ジャガイモや牛乳を入れて煮たスープ。パセリのみじん切りをふりかけてクラッカーを添えて出します。粘度をつけるために、粉砕したクラッカーを使うことも。カレー粉やウスターソースで味をつけたボストンクラムチャウダーや、牛乳の代わりにコンソメとトマトを入れるマンハッタンクラムチャウダーなどのバリエーションもあります。日本ではハマグリの代わりにアサリを使うのが一般的です。






